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ミンナ大好き○○の末路 2020年からアーリーリタイアはじめました

仮面ライダー令和ザ・ファースト・ジェネレーション ロボ父さんはめんどくさいの巻

 この先、速さが足りないヒトへの配慮は無いです。

kamenrider-winter.com

 仮面ライダーゼロワンこと飛電或人のお父さんは或人が物心つく前に事故で亡くなったのでお爺さんの会社社長飛電是之助が権限フル行使で自社製品AI搭載ロボット・ヒューマギアをマッシュアップして息子であり或人の父である飛電其雄をロボ父さんとして蘇らせ或人に与えたわけです。あ、飛電其雄の名前に「飛」と「雄」で「トビオ」が隠されてるので鉄腕アトムリスペクトでもあるんですかね? で、めっちゃ懐いた或人に「笑って欲しい」と無茶ぶりされたロボ父さんは感情が無いから無理と言いつつもその気になって「人間とヒューマギアが笑顔になる世界」を作るために何故か威力武装兵器「仮面ライダー」を開発しちゃうわけです。確かに、その後にヒューマギアが暴走反乱をおこしかけたのを止めるのに使用したんですが、「どうして仲間が暴走するんだ??」と想定外の出来事だったらしく狼狽してる体だったんで、「人間とヒューマギアを守るために仮面ライダーを作った」という割にやたら過剰な戦力を何を脅威と想定したのか開発するきっかけが良く分からないんですよね。まあ、今後TVシリーズで語られる事かもしれないので、それだけなら心の棚に上げておけるんですが、さらにロボ父さんの行動が「おや?」と首を捻るばかりで……。

 何者かに過去に介入されて歴史を改変されたのでタイムマシーンを持ってる仮面ライダージオウと協力するぞってのがこの映画のザックリしたあらすじなんですが、その原因がヒューマギアを人類抹殺マシーンに暴走させる悪の通信衛星アークが、悪だけにアークが、正史では爆散したのに、アナザーゼロワンという敵がロボ父さんと或人をボコボコにして打ち上げを成功させてしまうわけですよ。その途端ロボ父さんが暴走して或人に「俺を超えろ」と言いながら襲い掛かってきて……で、まあ何だかんだあって或人にロボ父さんは倒されるんですが、「誰かの跡継ぎだからとかでなく、或人自身の夢を追う事を自分で気づいて欲しかったから暴走したフリをしてました」とか言い出すんですよね。うわ!コイツ、めんどくさッ!

 アーク打ち上げ阻止失敗からロボ父さん機能停止まで12年の歳月が流れてるんですが、その間に暴走したヒューマギアによって人間はほぼ駆逐されており、映画冒頭からバンナムの玩具ガンやソードでなくリアルなチャカやエグイ重火器でハードなドンパチやって洒落にならない状況下であるのはこれでもかと演出されてるのに、12年間暴走したフリしてましたって……。しかも「俺を超えろ」って暴走のフリをやり始めたから取り逃がしたアナザーゼロワンはその足でロボ父さんの生みの親で正に父である飛電是之助をSATUGAIしにいっちゃてるんですよ。「人間もヒューマギアもいっぱいSATUGAIしあってるけど、或人がカワイイから仕方ないかぁ。うん、見殺し」みたいな? 12年もあったらもうちょっと、こう、あるでしょ? いや、大株主という事だったのでレジスタンスの援助とかしてた設定とかあるのかもしれませんが劇中では何も触れられず。大体、ロボ父さんはアークに自爆プログラムを仕込んでたんで12年もあれば復旧もできたでしょ? この状況を放置しといて、実は或人の事を思ってる善ロボでしたみたいに言われても説得力無いでしょ。もう鬼!ダグバ!「僕を笑顔にしてよ」。ああ、笑顔になりたいってそういう事? いや、映画見てる観客はラスボス倒したら世界にリセットかかるのは百も承知なんですが、ロボ父さんはそんなん知る由もないでしょうし……。

 そもそも、そんなテーマだったの?と。アナザーゼロワンに社長の地位を奪われた或人が「俺が社長に戻りさえすれば~」とか連呼してわかりやすく固執するわけでも無いですし、お爺さんやロボ父さんの意思を継ぐの継がないのなんて話がどこから出てきたのかボクの理解力不足なのかもしれませんが本当にわかりませんでした。或人は自分が「ロボ父さんに笑って欲しいと無茶ぶりしたら、何か勘違いして人間を抹殺する兵器を作っちゃってるよ」って悔やんでましたから、そんな親を持つ自分に戦う資格は無いという話だとしてもですよ。その原因も、或人はちゃんと問い詰めてるのにロボ父さんは何故か何も説明しないからですし。大体、夢を見失ってるって話なのに、或人は敵にのっとられた株式総会に単身乗り込んでちゃんとTVシリーズと変わらない自分の夢語って暴走してるヒューマギアすらも賛同させてるんですよ。で、それを目の当たりにしたロボ父さんが「よく言った或人」ならわかりますよ。この期に及んで「俺を超えろ」ってどんだけ自分を過剰評価してんですか? 大体、或人が調子が悪かったのは別に悩みに押しつぶされてるとかでなく、そもそもが仮面ライダーゼロワンを制御する衛星ゼアが正常機能してなかったからだし、その上変身アイテム・ゼロワンドライバーを奪われたからってロボ父さんが貸し出したヒューマギア用の変身ドライバーがやたら人体に負荷をかけるせいなんですよ。12年も時間があったのに人間用に調整とかしなかったの? 仮面ライダー養成ギブス的な意味合いだったのかもしれませんが、実際問題或人が本来の力を取り戻したのは正規の通信衛星ゼアの打ち上げに成功し、衛星起動と共にゼロワンドライバーが輝くって演出されてて、養成ギブスの特訓の成果でもロボ父さんの言葉で吹っ切れたわけでも無いんですよね。全部無駄だったんでないの?みたいな。その上、冒頭から或人を苦しめ、ロボ父さん二人がかりでも敵わない、やたら強いアナザーゼロワンはサブライダー2人に特に理由付けも無く倒されてしまうんですよね。そこはロボ父さん超えた成果として倒しとくトコでしょ? アナザーゼロワン>或人+ロボ父さん って戦力差だったのに、アナザーゼロワン<バルカン+バリキリー って結果に終わって、単にアナザーゼロワンより弱い同士で潰しあっただけみたいな。無駄にロボ父さんをSATUGAIしただけの後味の悪さだけで、カタルシスの持って行き場が無いという。せめて、ロボ父さんが或人の力を取り戻すために衛星打ち上げをカモフラージュする為に陽動とか時間稼ぎしてたとかでもあればまだ救いもあるんですが、特にそういう事も無く、なぜこのタイミングなのかもよくわからないまま勝手に打ち上がっていて、父と子のスキンシップははかれたかもしれませんが、この状況下の世界に与えた影響は0で本当に無駄死に。世界が滅んでも親子喧嘩優先という親子セカイ系ですよ。まあ、確かにこの世界の状況は仮面ライダージオウサイドが引き起こした事で、ゼロワンサイドは巻き込まれただけで関係ないと言えばそうなんですが……。

 別にラスボスであるアナザー1号の最終戦で1号を倒したわけでもないのに奪われていたジオウの平成ライダーの力がピカーンと戻ったり、歴史が戻った訳でもないのにこれまでずっとシャイニングホッパーしか持ってない体だったのにシャーク・タイガー・マンモスのプログライズキーをしれっと使ったりする事とかは別に理屈とか無くそういうもんですからアーだコーだ言うつもりもないんですよ。別にガチガチに整合性を求めてはないんですよ。でも、納得はしたいじゃあないですか。納得は全てに優先するぜッ!でないとオレは「前」に進めねぇッ!「どこへ」も!「未来」への道も!探す事は出来ねぇッ!なんですよ。ロボ父さんと喧嘩させたいのはわかりますが、結果ロボ父さんのひたすらポンコツっぷりばかりが気になる個人的には納得出来ない映画でした。

 以上、仮面ライダー令和ザ・ファースト・ジェネレーション ロボ父さんはめんどくさいの巻の感想でした。

「ロボットじゃないよヒューマギアだよ」

「うるさい、お前なんかロボットで十分だ」