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ミンナ大好き○○の末路 2020年からアーリーリタイアはじめました

シン・仮面ライダーが成立するのは藤岡弘、が元仮面ライダーのオモシロおじさんとしてイジられ続けていたからで、シン・ゴレンジャーはそういうわけにはいかない

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 仮面ライダー生誕50周年でシン・仮面ライダーが発表されました。もう、期待を膨らませて2023年を待つしかないのですが、それはそれとして、スーパー戦隊もあと5年で50周年を迎えるわけですが、その時に果たしてシン・ゴレンジャーは成立するのだろうか?

 そもそも初代仮面ライダーがファンはともかく、なぜ仮面ライダーといえばいまだに初代の変身ポーズをするぐらいに認知されているのか? 平成・令和と仮面ライダーが放送されているから? それもあるでしょうが、密かに多大なウエイトを占めているのは藤岡弘、のおかげなんだと思うんですよ。むしろ、藤岡弘、のせい。藤岡弘、が悪いまであるんじゃあないかと

 昭和の藤岡弘、は一部界隈では既に「役者馬鹿」とイジられ始めていましたが、映画にドラマにと大活躍の大スターだったわけです。それが今でいう相棒ぐらいヘビロテ再放送されていた特捜最前線が終了以降は役者馬鹿藤岡弘、の役者の部分は行方不明になり、ひたすらそのキャラクター性をパロディーにされ続けるというよくわからないポジションを確固たるものとしたのです

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 自身の人間力の太さ故に擦り切れることなく平成・令和を駆けつづけ今日に至るわけですが、そのミンナがイジりたいキャラクター性のベースには常に「元仮面ライダー」があるのは言わずもがなです。いつも元仮面ライダーのオモシロおじさんが傍にいたんです

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 ぼくたちには、ヒーローがいる。藤岡弘、がいる、なんですよ。常にオモシロイ元仮面ライダーおじさんがいたから、知らないけど知ってるし、見た事無いけどオモシロイという洗脳……刷り込みが今日まで無意識化にて続けられたのが初代仮面ライダーというコンテンツの一面であると思うのです

 一方、スーパー戦隊といえば、シリーズこそ途切れることなく続いてはいますが、藤岡弘、のような一目でわかるアイコンが存在しません。ただ、戦隊とはこういうモノという概念は存在します。いや、いまや存在してたと過去形でしょう。それは「一人に五人がかりで卑怯」とか「黄色のデブがカレーを食ってる」というヤツです。しかし、これはツービートが活躍した昭和の第一次漫才ブームの頃にお笑い芸人によって広められたもので、戦隊側から発信したものではないんですよね。その後、戦隊は新しい事をずっとやってきていましたが、戦隊の概念はずっとアップデートされることはありませんでした。なんせ「戦隊の黄色はデブでカレーを食ってる」ネタが平成の半ば頃までM-1グランプリの準決勝にすら平気でかかってたぐらいですから。既に戦隊カラーの黄色といえば女性メンバーという印象の方が強い状況だったにもかかわらずです。これには平成にお笑いを目指す人達がほぼダウンタウンの影響下にあり、ごっつええ感じでのゴレンジャイというコントの影響が少なからずあったようには思いますが、そもそも概念の更新は滞るものなのです

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板川 だから、テレビ番組でそういうゲームを紹介したいという想いがありました。実は『勇者ああああ』が始まるまで、番組の会議とかでゲームの話をすると、オジサンたちがファミコンの話しかしないのがすごい違和感があったんです。だって、僕は家にあったから知ってましたけど、ファミコンって83年に出たゲーム機ですもん。それって、まだ僕が生まれてない時代ですよ? 「懐かしい」のラインがファミコンで止まってるんですよ。

――確かにテレビで「懐かしモノ」を特集する時って、今でこそようやく90年代を懐かしむ流れになってきましたけど、それまではずっと昭和でしたよね。
板川 そうなんです! 「テレビって、ホントにオジサンたちが作ってる」と思うんですよね。昔、伊集院光さんがラジオで「『ALWAYS 三丁目の夕日』が懐かしい、ってのは嘘じゃねえか」って話をしてたことがあるんですけど、あの映画って戦後10年ぐらいの話なんです(第1作の舞台は昭和33年)。ってことは、今の人が「懐かしい」と言うのは、ちょっと嘘なんですよね。
――その時代にはまだ生まれてない人が大半なわけですものね。
板川 そう。「ゲーセンがヤンキーのたまり場だった」みたいな話だって、僕らの世代からすると「あるある」じゃないんですよ。だからさっきの「懐かしさがファミコンで止まっている」という話に戻すと、僕からするとプレイステーションのポリゴンのゲームでも十分懐かしいんですよ。なにしろ、プレステは小学校4~5年ぐらいに買ってもらったゲーム機だったりするので。 

 最近読んだインタビュー記事ですが、この「懐かしいのラインが止まってる」話と、いつまでも「黄色のデブがカレーを食ってる」概念が変わらなかった根底にあるのは同じモノでしょう。だから、当時の正しい認識によるほぼ唯一といっていいスーパー戦隊パロディーだったカゴメの野菜ジュースのCMがスゴイ新鮮に映ったのを覚えています

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  しかし、このラインを変える試みはそれ以降見られませんでした。それゆえ、藤岡弘、という見えるオモシロイ存在と違い、スーパー戦隊のアップデートされない見えない概念は、知らないから知らない、見た事無いからオモシロくないの壁を越えることができずに、いつしか消えてしまったのです

 だからシン・仮面ライダーが成立するのは藤岡弘、が元仮面ライダーのオモシロおじさんとしてイジられ続けていたからで、シン・ゴレンジャーはそういうわけにはいかないんじゃあないかと思っています。戦隊は同じフォーマットで簡単に説明できるようでいて、実は長い歴史ゆえに複雑になり過ぎてしまっているので、全世代に同じようにキャッチ―に訴えるような手段が無いんですよね。藤岡弘、という存在は本当に奇跡なんですよ

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